ふみサロ 11月課題 さとうりゅうとう著『壁の乗り越え方 ~今、どん底のあなたを救う処方箋』  2024年問題 あなたは、どう思う?

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課題本から受けたインスピレーションを基に800文字のエッセイを執筆して、月一でセミナーと課題作品の合評会をします。

11月の課題図書
さとうりゅうとう著『壁の乗り越え方 ~今、どん底のあなたを救う処方箋』

2024年問題 あなたは、どう思う?

「事件は会議室で起きてんじゃない!現場で起きてんだ!」
踊る大捜査線の青島刑事に叫んでもらいたいくらい、現場は大変である。

私は、会社訪問して健康カウンセリングをしている。
物流業界の労働環境は過酷だ。
忙しすぎて、朝食、昼食を抜いて、寝る前に夜食を食べる生活はざらにある。
冷房のない屋外での重労働で、夏と冬の体重差が5㎏以上も珍しくない。

「先生、1日3万歩、歩いてるのに痩せへんで~。」
その相談者は、省エネの体といって、少しのエネルギー量でもたくさん動ける体になっていて痩せにくい。
多くの人が、正月休みなどの長期休暇になると、活動量が減るのに食事量が増えてしまう。
その後に健康診断するので、体重増加と検査数値の悪化が半端ない。

世の中が便利になりすぎているのも、労働環境を悪化させる原因になっている。
ボタン1つで商品が翌日に届くから、さばき切れてない荷物であふれかえっている。
日中に仕事が終わらないから、夜勤の仕事が生まれる。

人間は夜に寝る動物である。
夜勤の人の健康管理はとても難しい。
それなのに、日中は別の仕事や親の介護をして、夜勤の仕事をしている人がいる。
仮眠を2~3時間取るだけである。
お金>健康にしてしまう理由が、それぞれにある。
「いつか、体が壊れるよ」としか、私は忠告することしかできない。

とろこで、物流業界で時間外労働の上限規制が2024年4月1日から適用されることを、テレビや新聞などの報道でご存じだろうか?
いわゆる「働き方改革」である。
一人当たりの労働時間が減り、人手不足に拍車がかかるので、荷物が配達が今より遅くなったり、スーパーの棚がガラガラになることが予想される。
今までの生活より少々不便になるが、働く人の健康を考えて大目に見てもらいたい。

ここまで読んでくれた人は、ご理解していただけていると思うが、
最後に、私が気になることは? 
そう。
Wワーク、副業などの個人の労働時間までは介入できないことである。
「働き方改革」が細部まで浸透できないのは残念である。

作品の意図

業務内容、個人の価値観に口出しできない壁、働き方改革が介入できない壁があること。
働き方改革が負の循環を抜け出す切り札になるかどうか?
自分と他人の健康を大切にして欲しいという願いを込めてます。

今回は、岸本葉子著『エッセイの書き方-読んでもらえる文章のコツ』を参考にしました。
起承転結の「転」に、書きたいこと。読み手が、へぇ~と思ってくれること。
「結」は、それほど大切ではない。
「起・承」は、あるある。

【起・承】現場あるある話。欠食、夏と冬の体重差、省エネの体、長期休暇の激太り、全然寝ない人。
踊る大捜査線のセリフを1行目に入れたのは遊び心。
【転】2024年問題で少し生活が不便になるけど、働く人の健康を考えて大目に見てね。
【結】「働き方改革」が介入できないこともある。
ストレートに書くより、「そう」という間を入れたほうが自然になりました。
「私が気になることは?」と、問いかけることによって、「あなたは、どう思う?」のタイトルが生きてくるかな~という目論見があります。

コメント

  1. 児玉朋己 より:

    過酷な現場の状況を専門家の視点からレポートしてくださりありがとうございます。
    2024年問題の背景を具体的に知ることができてよかったです。

    • まりえ まりえ より:

      児玉朋己 さん コメントありがとうございます。
      今回初めて「起承転結」を意識して書いた結果、読み手次第では、レポートという見方にもなると気付けました。ありがとうございます。
      他にも、24時間営業のコンビニがあるから、食品工場も24時間稼働するとか、便利さの裏で働く人の健康が脅かされることも書きたかったけど、今回は物流業界に絞りました。

  2. 横須賀しおん より:

    まりえさんの投稿で興味を持ち、私も岸本さんの本を購入し、半分ぐらい読みました。岸本さん流の書き方と自分の書き方は、全く同じだとは思わなかったのですが、似ているところもあり、読みながら、自分が書くときに考えてる事と同じ、同じと思う部分がとてもたくさんありました。私は、元・コンビニ店長経験者で、超長時間労働やずーっと毎日夜勤やずーっと休み取れない勤務等の経験者です。今月のエッセイの内容は、非常に良いエッセイだと感じました。私自身、これからの人生は、物書きとして過ごそうと決意した時に、一番最初に決めた時は、どんなに時給が高くても夜勤だけは辞めようと思った事です。おかげさまで、夜勤を避けている為、モノ書きを続けられています。

    • まりえ まりえ より:

      横須賀しおんさん コメントありがとうございます。
      前回のふみサロのワークで、今までの自分のエッセイが作文だったことに気付きました。岸本葉子さんの本が紹介されてたので、自分が真似できそうなところを活用しました。
      自分だから書けることを、起承転結の枠にはめてみました。

      しおんさんは、コンビニ店長もされていたんですね。
      人間らしい生活をして、やりたいことをするのが一番です。

  3. 竹原朋美 より:

    「事件は会議室で起きてんじゃない!現場で起きてんだ!」
    これは名セリフですよね。本当にいろいろな視点で考えられている作品だと思いました。起承転結も大事ですね。

    • まりえ まりえ より:

      竹原朋美 さん コメントありがとうございます。
      話が重くなりすぎないように、遊び心でセリフを入れてみました。
      今回、起承転結にはめて書いたのですが、合評会で結が甘いと教えてもらい、勉強になりました。
      これからも楽しく試行錯誤していきたいです。

  4. 阿部勇二 より:

    便利になることが、健康を害する人を増やすことになる。

    とても、大きな問題ですね。

    私は、物販をしているので、運送会社さんには、頭が上がりません。

    「速く送って」とお客様にせっつかれると、辛いですが、一人ひとりの幸せを最優先に考えれるように、余裕を持ちたいと思いました。

    「働き方改革」という言葉は、いい意味に感じますが、その裏で起きている問題も、理解したいと思いました。

    たくさんの人に読んでもらいたいエッセイと思いました。

    • まりえ まりえ より:

      物販のお仕事をされているのですね。
      12月の物流は超多忙です。
      来年は便利さについて考える年になりそうです。

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